店頭に飾られてる落書きされたような2ドル札
カンボジアの個人商店で買い物をすると、時々このような変な2ドル札を見かけることがあります。
一体なんなんだ?
ずっと疑問に思っていたんですよ。どう見たって落書きにしか見えないんですけど…
そんなものを店頭に飾っているのって意味あるの?
カンボジア人の友人にこの変な2ドル札のことを聞いてみたら、この2ドル札について知っているというので教えてもらうことができました。
一体この2ドル札にはどんな意味があるんでしょうか。
文字が書かれた2ドル札は幸運を呼び込むためのものだった
友人が言うには、この2ドル札は幸運を呼び込むためのものなのだそうです。
日本で言うと「招き猫」のような意味合いなんでしょうか。
まず、この落書きのように見えるものが何なのかっていうところから。
これはお坊さんが書いた文字なんだそう。
お坊さんの書いた文字はありがたいもの。きっとなにかおまじないのようなものなのかな。
希少な2ドル札に書くことで特別なことを期待する
次になぜ2ドル札に書くのかってこと。
カンボジアでは2ドルっていうと結構大きな金額です。屋台の焼きめしは2ドル位なので、1食分くらいの価値があることになります。
実際にカンボジアにはもっと少額の紙幣がいっぱいあります。
現在一般的に流通している紙幣で一番安いものが100リエル紙幣。4,000リエルで100円位なので100リエルは2.5円くらい。
カンボジアの人はよく100リエル紙幣をメモ代わりに使ったりしています。あかんやろ!ですけどね。
こんな風に思ったんですが、2ドル紙幣じゃないといけない理由があったんです。
その理由は希少性。
どういうことか?
カンボジアの自国通貨はリエルなんですが、一般的にはアメリカドルも非常に流通していて両方の通過を使うことができます。
たとえば2ドルの物を買うときに、1ドル紙幣 + 2000リエル紙幣2枚 というように支払うことができるってこと。
こんな感じでカンボジアには非常に多くのアメリカドルが流通しています。でも唯一2ドル紙幣は流通量が非常に少ないんです。
これが2ドル紙幣。あまり馴染みがありませんよね?
実際にカンボジア国内で2ドル紙幣を支払いに使おうとしても使えないことが多いんです。みんな2ドル紙幣を見たことないから知らないんですよ。だから偽札だと思って受取を拒否される。
これほど希少なんです。2ドル紙幣というものは。
だからこそ、あえて希少な2ドル紙幣にお坊さんのありがたいお言葉を書いてもらおうとするんですね。
メモ代わりに使われる100リエル紙幣に書いてもらっても全然ありがたくないんでしょう。
2ドルという「希少」な紙幣に、なにか良いことが起きるようにという願いをかけているのかも知れません。
トゥール・スレン虐殺犯罪博物館で2ドル指定を手に入れられる
希少な2ドル紙幣ですが、どこで手に入れたらいいんでしょうか?
実はプノンペンに2ドル紙幣を手に入れられる場所があるんです。
トゥール・スレン虐殺犯罪博物館
ここはポルポト時代に多くの人が収容されて殺害された場所。カンボジアの負の遺産とも言える場所です。
ここの入口で入場料を払うんですが、高額紙幣(10ドル紙幣など)で支払った時におつりとして2ドル紙幣が返ってくるんです。
初めはたまたまなのかなと思ったんですが、何度言っても2ドル紙幣がおつりで返ってきたので意図的に2ドル紙幣を使っているようです。
もちろんカンボジア国内では2ドル紙幣は受取拒否されることが多いので、すぐとなりで2ドル紙幣を1ドル紙幣に両替してくれる場所が設けられています。