“体を心配してくれたのが嬉しかった”
最近飲食店のあり方について考えさせられる出来事がありました。
母親がこの店が特に好きだったんですよ。病気で体調が悪くなってたんですけどここに来るといつもマスターが体調を心配して話しかけてくれたじゃないですか。それがとっても嬉しかったみたいですよ。
ぼくはこの一言を聞いてぼくは心が激しく揺さぶられたんです。飲食店っていうのは美味しい料理を出せば良いっていう思いがあったんですけどそうじゃないんだって。もちろん美味しい料理を出すことは大事。でもそれと同じくらいお客さんと心を通わせないとだめ。
最近はチェーン店が増えてすごく低価格で料理を食べることができるようになりましたよね。サイゼリアとか信じられないような値段ですよね。もちろんそういう気軽に安く食べられる店っていうのも大事です。実際によく行ってます。でもそういう店ばっかりになっちゃダメなんです。あまりにもドライです。
食事っていうものは料理だけじゃない。コミュニケーションや店の雰囲気も含んだものが食事なんです。同じ店の中にいる店の人や他のお客さん。そういう人と空気を共有して楽しむ物が食事なんですよ。以前紹介した京都の居酒屋のきみやはそういう空気を共有して食事を楽しむっていう点ではすばらしい店です。
はじめは出来合い料理だけだった。きみやが人気店になったのは大将とお客さんが良い関係を築けたから
相手を気遣う心なんかが店の雰囲気を温かいものにしていって料理も美味しく食べられる。逆に険悪な雰囲気は美味しい料理も台無しにしてしまいます。思いやりの心を持って接するとその良い雰囲気が店中に拡散するんです。店で働く人もお客さんもそういうことをしっかりと意識すべきですね。自分の心の持ちようでこの場の雰囲気が変わってしまうってことを。
美味しい料理を作って、心からの気遣いができること。これが店のファンを増やすことになるんです。人はいくら美味しい料理が食べられたとしても感じの悪い店には二度と行きたいって思わないですからね。今回のちょっとした会話の中でぼくはこう感じたんですよ。