長年の夢がかなう時がやってきた
ぼくは今回の上京をいつもとは違った特別なものだと思っていました。それは何を隠そう、関東風桜餅(長命寺)を食べることができる春に東京に行けるからです。
ぼくにとっての桜餅は道明寺。関西では桜餅と言えばこの道明寺しかあり得ません。関東では道明寺という名前で売られていますが、関西では道明寺とも言わずに桜餅と言います。

桜餅(道明寺)
関東の桜餅(長命寺)は関西では極めて珍しい存在。ぼくは関西に30年以上住んでいますが、長命寺を見たことはたったの一度だけ。
関東風桜餅はぼくにとっては本の中に出てくるお菓子。今まで実際に見たことも味わったこともありませんでした。そういうこともあってぼくの中では関東風桜餅に対する憧ればかりが膨らんでいったんです。
東京に行ったら絶対に関東風桜餅を食べてやる
何度そういう思いを抱いて上京したことか。でもぼくを待っていたのは厳しい現実だったんです。
それは時期。
なんと関東では春でなければ桜餅が買えないんです。関西では春でなくても年中桜餅を買うことができるのに、東京では売ってもくれないのか。絶望でした。
いつもいつも時期外れ。その度に悔しい思いをして涙をのんできたのです。
でもようやくぼくにも桜餅を食べることができるチャンスが到来。それが今回の上京です。3月下旬。桜餅にドンピシャじゃないですか!
こうして人生初の関東風桜餅を食べるという夢を抱き東京にやってきました。
桜餅を食べまくる
初日。桜餅を発見できなかった
桜餅を食べるためだけに表参道に行ったが…
まずはリサーチから。東京のことなんてさっぱり分かっていないぼくにはどこに行けば美味しい桜餅が食べられるか見当もつきません。
そんな時の強い味方がWEB。さっそくおすすめの桜餅を検索してみると出てきた名前が”たねや”。
たねや?どこかで聞いたことあるな。
そうです。滋賀のお菓子屋です。東京まできて地元のお菓子屋に行く気にはなりません。別のお店を調べてみるとそこには”まめ”というお店が載ってました。餡も手作りしているっていうじゃないですか。これは期待が持てそう。
“まめ”で決定!
地下鉄に飛び乗って表参道駅に向かいます。お店は南青山にあるみたい。お洒落な街の和菓子屋さんってわけね。期待が持てます。
表参道駅から10分程歩くと細い路地を入ったところに目的のお店”まめ”がありました。お店自体はこじんまりとしていて街の和菓子屋さんっていう感じ。

まめ
店内に入ってお目当ての桜餅を探してみます。
あれ?ないぞ。
ショックです。東京まで来たって言うのに関東風桜餅が置いてない。なんでやねん。
関東風桜餅の代わりに置かれていたのは関西風桜餅の道明寺。

美味しそうな道明寺
せっかく来たのに何も食べないのは悔しいから道明寺(260円)を1個買ってその場で食べてみます。

桜餅(道明寺)
塩っ辛!
これがぼくの第一印象。桜の葉が思った以上に塩辛くてビックリ。その分中身は甘めになってますね。普通に美味しいです。一気に食べてしまいました。ごちそうさま!
スーパーで関東風桜餅と初対面
1軒目でまさかの道明寺を食べるということになってしまったぼくは、関東風桜餅を求めて街を歩き出しました。
東京っていう大都会だから街を歩けば和菓子屋くらいあるだろうって思っていたんですが大間違い。全然和菓子屋が見当たらず。その時にふとある考えが浮かびました。
スーパーには売ってるんじゃないか?
関西でもスーパーにはパックに入った桜餅がだいたい置いてあります。きっと関東でも同じだろう。そう思ってスーパーに突撃。店内をうろうろといていると目に飛び込んできました。関東風桜餅です。3個入り209円。激安!!即買いしたのは言うまでもありません。

スーパーの桜餅
この桜餅ですがすぐには食べませんでした。なぜかって?
それは和菓子屋の桜餅を一番最初に食べたいから。これは譲れません。
ということで手元に桜餅があるにも関わらず、結局その日は関東風桜餅を食べることはありませんでした。
2日目。念願の実食と新たな野望
初めての関東風桜餅は普通だった
2日目。ぼくは高田馬場から早稲田へと歩いていました。友人の話によればこの当たりに和菓子屋があるとのこと。高田馬場から10分程歩いたところで愛して止まない和菓子屋が目に飛び込んできたんです。
その和菓子屋は伊勢屋。食堂と和菓子屋が一緒になったようなお店です。店内で食べたかったんですがまだ開いてなかったのでテイクアウトすることに。
ショーケースをのぞき込むと、夢にまでみた関東風桜餅がいっぱいならんでるじゃないですか。もう嬉しすぎ。大興奮!

関東風桜餅が2種類あります
さらによく見ると関東風桜餅は2種類あるってことが判明。一つ目はピンクの皮で白あん、もう一つは白い皮でこしあん。
これは両方食べないといけないでしょ!
迷わず2個購入。1個130円とお値段もお手頃です。人生初関東風桜餅なので食べる場所にもこだわりたい。人混みでは絶対に食べたくないし、路上で立って食べるのも行儀が悪い。自然の中で食べたいな。
ということで公園まで移動して食べることにしました。太陽が暖かくて気持ちいい公園。
ああ〜こんな環境で桜餅を食べられるなんて幸せだなぁ。
まずはピンクの方からいただきます!

白あんの入った桜餅
塩っ辛!
またしても塩辛い。関東の桜餅は塩がきつい!
食感がずっと気になっていた皮は思った通りの食感!クレープの皮のような食感です。長年抱いてきた問題の答え合わせができたようで気分もすっきり。でも予想外だったのがあんこの量。食べていくうちにあんこがどんどんはみ出してくる。関東風桜餅はあんこを食べるお菓子ですね。
続いて白い皮の方もいただきます。ピンクと大体同じような感じです。

粒あんの入った桜餅
それにしてもあんこの量が多いのでもう満腹。
食べまくってやろうと決意
本来ならここで終わるはずだった。でもぼくの心の中に桜餅に対する好奇心が芽生えてきたんです。もっと食べてみたい。
もっと違う桜餅があるかもしれない。
長年の夢がやっと叶ったのにたったこれだけで終わりにするのか?
そうだ!せっかくものにした機会をもっと大切にしなければならない。突っ走れ!
ということで桜餅をこれから食べ続けることに。どこに入ったら買えるのか?そう考えて入るときにまた閃いたんです。
デパ地下に行けば絶対あるやんけ!
そうですよ。なんでこんなことが分からなかったのか?自分のバカ!
東武百貨店のデパ地下に入るともう桜のオンパレード!桜餅をはじめ桜関連のお菓子が並びまくってます。初めからここに来ていれば良かったのにって激しく後悔です。
桜餅っていってもいろんな種類があります。関東風桜餅もあれば道明寺も。もうよだれが出そうになるのを必死で押さえてショーケースの中の桜餅が凝視します。
全部買いたい。
これがぼくの本音。でもそんなことしたら破産するし、糖尿病になってしまうかもしれない。ここは我慢です。食べるべき桜餅を厳選しないと。
最終的に買うのを決めた桜餅は金沢和音の桜餅。

金沢和音の桜餅
決断させたのはその中身です。ここの桜餅は中に挟んであるあんこの中にお餅が入っているんです。めちゃくちゃ美味しそう。脳が溶けてしまいそうになったので購入を決めました。絶対美味しいでしょ!ちなみにお値段は220円。お高めです。

金沢和音の桜餅。餅が入ってます。
さすがにデパ地下で立ち食いする訳にはいかなかったのでホテルで食べましたが、これは美味しいですね。まず塩辛くない。これポイント高いですよ。そして香りも良いですね。やはり200円出すとクオリティがぐっと上がります!
そして寝る前にはスーパーで購入した桜餅を1個食べることに。さすがに3個は無理なので残りは翌日の朝ごはんにしました。
スーパーの桜餅ですが値段の割に結構良かったですよ。塩気も少なくて甘みもあって美味しい。それに香りもあるし全然OKですね。コスパ抜群。
3日目。巣鴨を攻める
翌朝はまず残っている桜餅2個が朝食。結構キツイ。あんこが辛くなってきました。でもここで負けるわけにはいかない。この日ぼくが攻めようと決めた場所は巣鴨!
和菓子 = 高齢者 = 巣鴨
勝手にこんなことを思いついたので行ってみることにしたんです。朝食のあんこで辛いですが電車に乗って巣鴨へ。
巣鴨に到着するとさっそく桜餅の文字が。さすが!ぼくの読みは当たってたなと自画自賛。

巣鴨
和菓子屋も多くて全部買うわけにはいきません。ぼくのお腹も持たないですね。ということで商店街を歩いてこれだという店を選ぶことに。
いろんな店がある中で行列のできている和菓子屋を発見。これは買わないとね!

みずの。すごい行列
ぼくも行列に並びます。そして桜餅を注文しようとしたその時、目に飛び込んできた文字が。
塩大福
なんとこの店の看板メニューは塩大福っていうじゃありませんか。これは塩大福も食べとかないといけないかな。
桜餅と塩大福1個ずつくださ〜い
お腹が重たいのに買ってしまいました。そして巣鴨駅に戻る途中に喫茶&和菓子店を発見。吸い込まれました。
ここでは豆かんを注文。なんかこの辺りからやけくそになってきているような感じですかね。でも美味しかったんですよ。黒蜜が甘くて美味しかった。600円。
お会計の時に悪魔がぼくに囁きました。
桜餅を買わなくてもいいのか?お前はそのために来たんだろ?
負けてしまいました…
あっ、桜餅も1個ください。
この時点でぼくのカバンには桜餅2個、塩大福1個入ってます。
頑張って食べようとしたんですが結局この日は1個も手をつけることができませんでした。
只今手元にある和菓子は、
桜餅2個、大福1個。朝ごはんだな。
— REI MORI (@mori_rei) 2016年3月26日
最終日・関東風桜餅の総本山・長命寺へ!
賞味期限が切れた桜餅2個と塩大福1個を食べるところから1日がスタート。
まずは豆かんを食べた福島家の桜餅(170円)からいただきます。

福島家の桜餅
まず一口目に感じたことは生地が違うってこと。もっちりとしていて美味しいです。そして塩気も少ないので食べやすい。170円というのもまあまあ手頃な値段ですね。一つ言わせてもらえばもうすこし桜の香りがあれば良かったかな。
続いて塩大福が看板メニューのみずのの桜餅(130円)。これは結構普通でした。特筆するようなところはなしですね。オーソドックスな桜餅でした。この時点でだいぶ桜餅を理解してきてますね。う〜ん成長したなぁ。

みずのの桜餅
続いて塩大福。これはぼくは悪いんです。買ったその日に食べるべきだった。1日置いたから固くなってしまったんですよ。あんこは塩気が効いていてさっぱりとした味わい。これは柔らかかったら絶対に美味しかった。失敗したなぁ。

みずのの塩大福
朝から3個も立て続けにあんこのいっぱい入ったお菓子を食べてしまいました。そしてこのざま。
あんこ食べすぎてめまいがする。
— REI MORI (@mori_rei) 2016年3月27日
初めてあんこを食べてめまいがしてしまいました。急性あんこ中毒?
でもここで諦めるわけにはいかない。関東風桜餅の総本山にいかなければならないんです!
関東風桜餅は長命寺と言われています。その長命寺に行かずして関東風桜餅を語ってはいけない。
なんかおかしなテンションになってきました。でもこの長命寺桜もちを食べずして帰っては絶対に後悔することになるのは目に見えています。そんな後悔は絶対にしたくない。
やらなくて後悔するより、やって後悔する方が良い!
ぼくが向かったのは押上。

東京スカイツリー
東京スカイツリーのふもとから歩く事15分ほど。これが長命寺桜もちです。外観も今までのものとは大きく違います。桜の葉もなんと3枚。

長命寺桜もち
皮はもちもちで食べ応え十分。あんこは甘め控えめでさっぱりとした味わい。美味しいですね!来た甲斐がありました。もう感無量!
くわしくはこちらをご覧ください。
関東風桜餅を食べまくって見えてきたもの
関東風桜餅を9個食べて分かったこと。それをまとめるとこうなります。
値段は130円が多い
値段はスーパーの商品を除くと130円設定のところが多いようです。ただしこの値段だとクオリティも普通。200円以上になるとさすがに美味しくなる。
あんこを食べるお菓子
関西風桜餅(道明寺)はあんこと周りの部分を楽しみますが、関東風桜餅はあんこを楽しむ比率が高いです。それは皮よりあんこの方が量が多いから。なかにはあんこの量が控えめになっているものもありますが、多くの桜餅はあんこが多いです。
塩気がキツイ
関西の桜餅に比べて塩気が強いものが多いと感じました。
どっちが好きかといわれると
今回関東風桜餅を食べてみて分かったことは、ぼくは関西風桜餅(道明寺)が好きだってこと。関東風桜餅も美味しいけど、道明寺の食感が良いなぁ。
おまけ
長命寺を後にしたぼくは完全にテンションがハイになってしまい、銀座に向かいました。

銀座
そこであんパンで有名な木村屋に行って桜餅のあんぱんを購入。路上でしばらく放心状態に。
ああ、もうだめだ。テンション上がりすぎて桜餅あんぱんにまで手を出してしまった。#桜餅 pic.twitter.com/5E3l6SDV4l
— REI MORI (@mori_rei) 2016年3月27日
さらにとどめに道明寺を買って公園で食べました。いやぁ、本当に桜餅って美味しいわ!

金沢和音の桜餅(道明寺)
おしまい。

最後に桜餅を食べた公園
有名和菓子店の桜餅を随時紹介しています!