誰かの犠牲の上に成り立っている即日配達ならいらない

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コラム
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即日配達には誰かの犠牲が隠れている気がしてならない

先日とある通販サイトで商品を購入しました。

購入したのがちょうど正午頃。そしてその商品が家に届いたのがその日の午後。正直この速さにはビックリしました。ちょっと昔じゃ考えられないようなサービスですよね。

東京や大阪だったら注文して1時間で商品が届くっていうサービスもあるらしいですよね。急いで欲しい人にはとても助かるサービスで結構なことだとは思うんですけど、やっぱりひっかかるものがあります。

これだけ早く商品を届けるのっていくら優れた商品管理システムが構築されたからって簡単なことじゃないはず。特に実際に配達するのは人間です。実際にトラックを運転して各家庭やオフィスに届けるわけ。かなり厳しいんじゃないの?

会社は”即日配達します”とか”1時間以内にお届けします”って簡単に言うけど、それを実現させるためには多くの人が今まで以上に無理を強いられているんじゃないのかって思うわけ。

ぼくには会社のために無茶な労働を強いられているように見えてならないんだな。

お客さんにより良いサービスを提供したいという会社の思いは分かりますよ。他社より優れたサービスを提供しないと生き残っていけないっていうのも。でもね、会社を動かしているスタッフや関係者を疲弊させてまで提供しなきゃいけないのかな?

以前、運送会社で働いていた人に聞いた話を思い出しました。

“毎日大量の荷物を早く配達しなければいけない。そのためには配達中には常に走ることを強制される。それが原因で荷物を破損したことも。その時には夜遅くまで残って始末書を書いたり色々と精神的につらいこともあった。”

この話を聞いたころはまだまだ即日配達なんてない時代でした。でもすでにこのころから時間というものに追われている人たちがいたってことが分かります。今じゃ即日配達が当たり前。もっと過酷な状況になっているんじゃないのかな。

無意識でサービスを受けることは罪である

サービスを受ける側ももっともっと考えていかないといけないんじゃないかな。

ただ単純に“早く手には入ればいいから”っていう理由で即日配達を選んでいるっていう人も多いと思うんです。

この気にもかけないような些細な行為が結果的に多くの人を苦しめていることになっているかも知れない。もう少しその部分を思ってもいいのじゃないか?

実際に今回ぼくが注文した商品もそう。別に今日配達してもらわなくてもよかったものだったんです。

ほとんどの場合が今すぐ届けてもらわないと困るっていうようなもんじゃないでしょ?今すぐ手に入らないと嫌だって駄々をこねるのは子どもだけで十分。

それに多くの人が即日配達を利用すると本当に必要な人のところに商品が届かなくなるっていうことも心配ですよね。余計なお世話かもしれないけどぼくはそんな心配をしてしまいます。

即日配達が標準的なサービスになってしまうと、別に急ぐ必要のない商品も急いで処理しないといけなくなってしまう。それだけ多くの負担が人にのし掛かってくるんです。極度のストレスにさらされる人だって増えてくる。

何も考えないでサービスを利用するっていうことは、直接的でなくとも社会を住みにくくし、鬱などの精神疾患を持つ人を増やすということに関与しているんです。それは回り回って自分自身の首を絞めることにだってなるんじゃない?

せめて自分がこういうサービスを受ける時にはただ単に便利だからっていうのじゃなくて、本当にそのサービスが自分には必要なのかっていうことを考えて行動する。そういう良識のある消費者になりたいものです。

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