カンボジアでも最先端医療を受けられるという安心感
カンボジアの首都・プノンペンに2016年に開業する「サンライズジャパン病院プノンペン」に突撃訪問してきました。
こちらがサンライズジャパン病院の外観。
この病院は日本政府が行っている「医療の輸出」のひとつの例です。サンライズジャパン病院のオープニングセレモニーには日本、カンボジア両政府、出資会社の人たちが出席して行われたんだそう。出席者の中にはカンボジアの首相・フンセンさんも。
「医療の輸出産業化」へ、カンボジアの医療施設がついに始動:医療:日経デジタルヘルス
病院内に飾られているオープニングイベントの参加者によるサイン。病院関係者の方に伺うと、この中にはフンセン首相のサインもあるんだそう。でもどれが彼のサインなのか分からないって。
ぼくはこの病院で来てお話しをお聞きして感じたことがあります。それは圧倒的な安心感です。
外国で病気になるってことはとても不安なこと。ぼくは以前カンボジアでデング熱に感染してしまってプノンペンにある大きな病院に入院したことがあります。
この病院はカンボジアの中でも最先端の医療が受けられる病院でした。でも日本の病院と比べるとまだまだ。実際にこの病院で手に負えないということになれば隣の国、タイにおバンコクに国外搬送されるっていう可能性だってあったわけです。ぼくの場合にはあと2、3日状態が悪ければバンコク搬送って話も出てたんですよね。
その原因としてはまずは設備の問題です。実際に治療をしようにも検査をするための機械がないということ。さらにソフト面では、医師などの専門職がいないなどの問題がカンボジアだけじゃなくて多くの途上国にはあります。
でも、このサンライズジャパン病院では日本の最先端の医療が受けられる。最新の医療機器などのハードに加えて、日本人の医療スタッフが多いというソフト面も充実しているんです。
カンボジアの病院にはまだまだ多くは普及していないMRIやCTなどの設備があります。
さらに多くの場合には手術、その後のケアまでカバーできるのだそうです。これまではタイやベトナムに行かないと対応できないような手術がカンボジアのプノンペンで受けられる。それだけでも大きな安心感がありますよね。
ただし、すべての手術に対応できるわけではないそうです。特殊な例になると国外搬送ということになるみたいです。
そして病院のスタッフは日本の病院で研修を受けているそうなので、しっかりと日本と同水準の医療を受けることができるというのも安心。もちろん日本人の医師も常駐なので安心です。
病院は日本語・英語・カンボジア語の3カ国語対応
病気になって病院にかかる時に、しっかりと治療をしてもらえるかという心配以外にも大きな心配事があります。
それが言葉です。
海外で日常会話ができたとしても、自分の症状を伝えることってなかなか難しいもの。先生の話す医療用語だって難しいんですよね。
でも、自分の症状を性格に医者に伝えること、医者の説明をしっかりと理解することは時には命に関わることもあるので絶対に軽視できない。
この言葉の問題もサンライズジャパン病院だったら問題なし。日本人医師、看護師がいるので日本語を母国語にする人にしか伝わらない微妙なニュアンスも伝えることができます。この安心感はめちゃくちゃ大きいです。
もちろん日本語だけでなく、カンボジア語、英語にも対応しています。そして毎日ではないとのことですが中国語ができるスタッフもいるということなので、中国人の方も利用しやすいようになっています。
もちろんウェブサイトだってカンボジア語(クメール語)、英語、日本語の3カ国語に対応しています。
参考までに、これまでぼくがお世話になった病院の中から日本語対応があった病院を他にも挙げておきますね。
- ケンクリニック(プノンペンにある日本人医師がやっているクリニック)
- ラッフルズメディカル(プノンペンにあるクリニックで日本人が常駐しています)
- ロイヤルプノンペンホスピタル(プノンペンにある大きな病院。日本語を話せる方がいました)
- バンコクホスピタル(タイのバンコクにある大きな病院。日本人専用の受付があって診察時には通訳がついてくれます)
管理栄養士常駐!病院食も安心
入院では食事だって大事。以前デング熱で入院した病院は病院食というものがなくて、近所のカフェからのデリバリーだったんですよ。
だから食事だって健康な人が食べるようなものばかり。こんな感じです。
- パンケーキとフルーツ
- ステーキ
- チャーハン
- 鶏肉が山ほど入ったおかゆ
- パッションフルーツスムージー
- ビール
病気でほとんど食べる気がおこらないので、ぼくは普通にお茶と白いお粥が欲しかったんですけどね。選べるのはこんな感じのヘビーなものばかり。
さすがにビールはあり得ないから注文しませんでしたが、頑張って他のものは食べようと頑張りました。でもほとんど残してしまいましたが…
この時には本当に病人に合った食事があったらなぁって思ったものです。
でもこのサンライズジャパン病院ではしっかりとした病院食が提供されるのです!食事もカンボジア料理と日本食から選べるっていうのも嬉しいですね。
そして病院食は病院内になる厨房で調理されるもので、日本からやって来てる管理栄養士が栄養バランスを考えて作っているっていうから安心。
清潔で患者さんに配慮した院内
ぼくが訪問した時にはまだオープンの状態ではなかったので、院内を全部見せていただくことはできませんでした。
でも2階部分は見て良いよって言われたので少し見せてもらうことに。
とても清潔感のある明るい受付
受付前のスペース。窓から明るい光が差し込んでとても気持ち良い空間です。緑も多くていいですね。これらの植物はもちろん本物です。
別の角度から。
こちらは診察室。
こんな感じで診察室が並んでます。
フロア案内。
男性トイレと女性トイレが間違っているような気がしますが…まあ細かいことは気にしない気にしない。
手すりも設置してあり、歩くのが困難な人にも配慮されています。
自動ドアは日本製?
絵も飾ってあります。何の絵だ?
こんなオブジェだって。これは羽かな?
1階の入口を入ったところにはカフェがあります。
その名も「CAFE 北原」
健康診断だって受けられるよ
日本だったら比較的簡単に健康診断を受けることができますが、カンボジアで健康診断ってどうやって受けるんだろう?
実際に、ぼくが青年海外協力隊でカンボジアに派遣されていた時には、シニアボランティアの方々は日本に一時帰国して健康診断を受けてらっしゃいました。
ということは、カンボジアでは信頼のできる健康診断は受けられないのか?
と思ってたんです。その後、実際に医療関係者から聞いた話でこんなとんでも話を聞くことに。
健康診断をしても結果を都合の良いように改ざんする病院もあるらしくて信用できない。
その話を聞いた時に、「なるほどね」っと納得してしまいました。
でもサンライズジャパン病院では日本水準の健康診断を受けることができるというのであれば良いですよね。
プノンペンには日系企業も多く進出してきているので、社員の健康診断が現地でできるというのは大きなメリットです。
最先端!ストレスチェックも可能です
健康診断だけじゃなくて、最近日本でも話題のストレスチェックだって受けられるんだそう。
ストレスチェックとは何か?厚生労働省のサイトではこのように説明されています。
平成27年12月より施行のストレスチェック制度は、定期的に労働者のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、個人のメンタルヘルス不調のリスクを低減させるとともに、検査結果を集団的に分析し、職場環境の改善につなげる取組です。
ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等|厚生労働省より
日本だけじゃなくて、カンボジアでもストレスを抱える人は多いはず。精神崩壊してしまう前に対策を立てられるのは魅力的。
リハビリにだって対応してます
リハビリも充実していて様々なリハビリ(理学療法、作業療法、言語療法、音楽療法)が受けられます。こんな症状の人に対応しているそうです。
- 疼痛
- 運動麻痺
- 嚥下障害
- 言語障害
日本のヘルスケアをカンボジアでもというパンフレットも配布されていますよ。
このサンライズジャパン病院が開院する前は、プノンペンの北の方にあるトゥールコックという地区にある北原ジャパンクリニックが診察を行っていたとのことで、この病院をリハビリ用に使うということでした。
地図はこちら
ただ場所が遠いという理由などで、サンライズジャパン病院の方が通うのが楽という患者さんにはこちらに来てもらうこともできるんだそう。
リハビリのメニューと料金です。
通院によるリハビリに加えて、訪問リハビリもしてくれるんですね。
カンボジア最先端の温水洗浄便座を完備!
驚くべきことはまだありました。それがトイレです。
なんとサンライズジャパン病院のトイレに設置されている温水洗浄便座は最新型!
これを見た時にはあまりにも興奮して倒れそうになってしまいましたよ。
充実の機能です!
- おしり洗浄
- ビデ
- 乾燥
- 温水・乾燥の温度調整
- ノズル位置調整
- 便座温度調整
- 自動洗浄
さすがに流水音はついてませんですたが、この充実の機能には驚きです!
ちなみにこれがカンボジアの一般的な洗浄機です。ただのホースにシャワーがついてるだけですが。
まとめ
カンボジアに住んでいて不安のことのとして挙げられる医療の質。これまでは大きな病気をした時には国外の病院へ搬送されることは多かったのですが、近年は大規模で質の高い医療を提供する病院がカンボジアに増えてきました。
こうした病院の一つとして開院したサンライズジャパン病院は日本の病院ということもあって、現地に滞在する日本人にとってはとても心強いものになると感じました。
国外への搬送には多額の費用、長い時間を必要とします。でもこうした病院がプノンペンにあるということは大きな安心です。
それに、この病院がカンボジア国内の医療格差の是正を目指しているというのも興味深い点です。
実際に富裕層はより良い医療を求めて国内外の病院を受診し、貧困層は病気になっても十分な医療が受けられないというのがカンボジアの現実なんです。
これをどのように改善していくのか楽しみです。