先日6年以上使っているMacの調子が悪くなりました。
具体的にはマウスポインタが正常に動かなくなったんです。
たとえばメニューの「▶」が表示されている項目。普通はポインタを合わせると自動的にメニューが開きますが全然開かなくなりました。
この問題を解決するためにAppleのサポートに電話をしたのですが、結局1週間以上の時間を費やすことに。
その時の記録を残しておこうと思います。
今回はポインタの不具合だったわけですが、他の不具合が起きた時にも使える方法でもあるので知っておいて損はないですよ。
結論:不具合はマウスの故障だった可能性
まず結論から言うと、この不具合はどうやらマウスの問題だった可能性があります。
ちゃんと検証はしていないのですが、その可能性が高かったようです。
ぼくが使っていたマウスはBluetoothで接続するタイプのマウスでした。
このマウスが故障したために、ポインタがうまく動かなくなってしまっていたようなんです。
もちろん、最初にその事もAppleサポートの方も考えてくれて色々と試しました。
- マウスの電源を落としてタッチパッドで操作
- BluetoothをOFFにしてタッチパッドで操作
こういう操作をしたのですが、状態は全く変わりませんでした。
だからマウス自体は問題ないと判断されたようです。
ところが、後日マウスのメーカーに問い合わせたところマウスがおかしいという話になったんです。
それでこのような操作を行いました。
Bluetoothに接続されているマウスを削除
削除方法はこのようにします。
「システム環境設定」→「Bluetooth」
Bluetoothで接続される機器が表示されるので、削除するマウスを選んで「×」ボタンを押します。
これをやればすべてが正常に動くようになりました。
もしBluetoothのマウスを使っていて、ポインタが正しく動かないという時にはマウスの故障も疑ってみてください。
Appleサポートが教えてくれた対処の流れ
順番が逆になってしまいましたが、ぼくが実際にAppleのサポートに助けてもらいながら行った作業について順に紹介していきます。
まずは何をやったのかというのを簡単にご紹介。
- SMCリセット
- 新規ユーザーを作る
- NVRAM設定情報のリセット
- OS再インストール
この4つの作業を1つずつおこなって、どこに問題があるのか調べていきました。
それでは順番に詳しく見ていきましょう。
対処1.SMCリセット
最初に行ったのはSMCリセット。
SMCとはシステム管理コントローラのことで、Macの基本的な部分を制御しているものだそうです。
- 電源ボタンを押したときの反応
- Mac ノートブックのディスプレイの蓋を開いたり閉じたりしたときの反応
- バッテリー管理
この他にもいろいろとコンピュータの事を管理しています。
詳しくはAppleのサポートページを見てください。
Mac の SMC (システム管理コントローラ) をリセットする方法 – Apple サポート
この部分に問題があるかも知れないということで、設定をリセットしてからセーフモードで立ち上げることに。
セーフモードは基本的な機能だけでコンピュータを立ち上げるモードなので、トラブルが起きた場合の問題がどこにあるのかを調べるのによく使われます。
1.電源を落とす
まずはコンピュータの電源を落とします。
2.「shift」 + 「control」 + 「option」 + 「電源」 を10秒押す
ちょっと押しにくいかも知れませんが、この4つのボタンを10秒間押し続けます。
この操作では電源は入りません。
3.「shift」 + 「電源」を押して起動する
「shift」ボタンと電源ボタンを押してコンピュータを起動します。
これがセーフモードでの起動です。
残念ながらこれではうまく動きませんでした。
対処2.新規ユーザーを作る
次に検証したのがユーザー。
Macを起動したら自分の名前でログインしますよね?
あれがユーザーです。
ユーザー毎に固有の設定があるそうで、この設定がおかしくなっているのかも知れない。
これが次の検証項目です。
新しいユーザーを作ってみて、うまく動けばユーザー設定に問題があるってことです。
それでは新しいユーザーを作ってみましょう。
1.「システム環境設定」→「ユーザとグループ」
2.ロック解除
このままでは新規ユーザを作れないのでロックを解除する必要があります。左下にある鍵のマークをクリックします。
パスワードの入力画面が表示されるのでパスワードを入力してください。パソコンを立ち上げた時に入力するパスワードと同じです。
3.新規ユーザを作成
さっきの画面に戻るので「+」ボタンをクリックします。
新規ユーザの登録画面が表示されます。
「新規アカウント」では「管理者」を選んで新しいユーザを作ります。
フルネームは「test」などでOK。
パスワードも覚えやすいもので。
全部入力できたら「ユーザを作成」をクリックします。
これで新規ユーザが作られました。
4.新規ユーザーで動作確認
新しいユーザが作れたので、今のユーザを一旦ログアウトします。
画面左上のりんごマークから「ログアウト」を選びます。
これで今のユーザからログアウトして、他のユーザとして再度ログインすることができます。
すぐにログイン画面が表示されるので、さっき作った新規ユーザでログインします。
この状態で正しくポインタが動くか確認です。
残念ながら動きませんでした。
対処3.NVRAM設定情報のリセット
次に提案されたのがNVRAM(不揮発性ランダムアクセスメモリ)のリセット。
NVRAMというのは、いろんな設定情報を記憶しておくためのものだそうです。
これをリセットすることで、おかしな情報が保存されていたとしてもきれいさっぱりなくなるので正常に動くようになるとのこと。
1.電源を落とします。
2.「option」 + 「command」+ 「P」 + 「R」 + 「電源」で起動
NVRAMのリセットはなかなか大変。
4つのキーを押しながら電源ボタンを押さないといけません。
押さえるキーはこの4つ。
- option
- command
- P
- R
これを押しながら電源ボタンです。
やってみると分かりますが、この4つのキー押しながら電源ボタンを押すのはめちゃくちゃ大変です。
オススメは、最初に3つのキーを押してから電源を入れて、すぐに最後の1つのキーを押さえるとまだ楽ですよ。
- 「option」 + 「command」+ 「P」を押さえる
- 電源を入れる
- 電源ボタンを押したらすぐに「R」を押さえる
3.起動したら動作確認
Macが起動したら動作確認です。
動きました!
と思ったのもつかの間。
10分ほどしか正常に動きませんでした……
対処4.OS再インストール
次に提案されたのがOSの再インストール。
購入した時の状態に戻して、問題が再発するかどうかを検証します。
パソコンのバックアップを取る
すぐに作業を開始したいのですが、OSを再インストールするとデータが全部消えてしまいます。
まず最初にする作業がデータのバックアップです。
Macにはタイムマシンというものがあって、コンピュータのバックアップを簡単に取ることができますよ。
タイムマシンを使ってバックアップを取る方法はAppleのサポートページをご覧ください。
Time Machine で Mac をバックアップまたは復元する方法 – Apple サポート
データのバックアップは外付けのハードディスクに取ると便利です。
Appleではタイムカプセルというものにバックアップを取るように推奨していまが、普通の外付けのハードディスクでも大丈夫です!
Appleのタイムカプセル
普通の外付けハードディスク
ハードディスクの初期化
バックアップがとれたら、一旦ハードディスクをきれいに初期化します。
macOS修復システムを立ち上げましょう。
1.電源を落とす
macOS修復システムを立ち上げるために一旦電源を落とします。
2.macOS修復システムを立ち上げる
「command」 + 「R」 + 「電源」でMacを起動します。
Macが起動してりんごマークが出てきたら、押さえてたキーを離してもOK。
Mac OS Xユーティリティが表示されるので、「ディスクユーティリティ」を選びます。
左に表示されるハードディスクを選択(一番上のもの)して、「消去」タブ。
ハードディスクに名前をつけて「消去」ボタン。
警告メッセージが表示されるので「消去」ボタンをクリック。これでハードディスクの初期化が始まります。
このまま無事に終了すれば、この後のOSの再インストールまで飛ばしてください。
残念ながら初期化に失敗してしまいました。
ハードディスクの初期化(インターネットリカバリ)
ハードディスクの初期化に失敗してしまったので、次はインターネットリカバリを試します。
インターネット接続が必要なので作業する前にネット接続環境を用意してくださいね。
1.電源を落とす
インターネットリカバリをするために一旦電源を落とします。
2.インターネットリカバリを立ち上げる
「shift」 + 「option」 + 「command」 + 「R」の4つのキーを押しながら電源ボタンを入れます。
こんな感じで地球儀マークが表示されますよ。このまましばらく放置。
この後は先ほどと同じように「Mac OS Xユーティリティ」が表示されるので、ハードディスクを初期化します。
今度は無事に初期化が成功しました!
OSの再インストール
次は新しくOSをインストール。
Mac OS Xユーティリティから「Mac OS Xを再インストール」を選びます。
OSをインストールする場所を聞かれるので、さっき初期化したハードディスクを選びます。
インストールが始まるとこんな画面に。しばらく放置しておいてOK。
インストール完了。そのまま設定をしていきます。
Macを購入した時の状態に戻しました。
そうするとポインタは正常に!
Appleサポートの方の話では、OSの問題なのかもしれないとのこと。
ただ、ぼくの使っているマシンはMac OS High Sierraに対応しているとAppleのサイトにも掲載されていました。
macOS High Sierra – 技術仕様より
にも関わらず、不具合が起きているのは長期間使ってきたからかも知れないとのことでした。
結局Appleのサポートでは根本的な問題を解決することはできませんでした。
後日マウスが原因だったのかも知れないというのは、最初に書いた通りです。
Appleサポートへの問い合わせ方法
ポインタの不具合を発見してから自分で色々と調べて対応しようとしたのですが、どうにもこうにもならなくなってしまいました。
そんな時にはMacのプロに聞くのが一番です。
Appleサポートへの問い合わせ方法を紹介しましょう。
これが意外に分かりにくかったんですよね。
いくつもステップがあって、すぐにサポートと話をしたいと思っていてもどこを見たらいいのかわからない。
問い合わせの方法についてはじめから順番に説明していきます。
まずはAppleのサポートページを開きます。
製品の一覧が表示されるので、サポートを受けたい製品を選びます。
ぼくはMacBook Proのサポートを受けたかったので、その製品名を選びました。
一番面倒なのが問題のトピックを選ぶ画面です。トラブルに応じて選んでいきます。
検索は便利ですよ。ぼくはマウスの問題だったので「マウス」と検索すると一発で問題を選ぶことができました。
サポートの方法を選びます。サポートの営業時間内なら電話がおすすめです。たしか土日も含めて9:00〜21:00までだったはず。
製品のシリアル番号を入力します。すでに問い合わせをしたことがあるなら、製品名が表示されるので選ぶだけ。
個人情報を入力します。ここに入力した電話番号に電話がかかってきます。
あとはサポートの人に状況を伝えて問題を解決していきます。
継続サポートの場合には直通電話番号と予約番号の確認を忘れずに
一度で問題が解決する場合にはいいのですが、何度もサポートの人への連絡をしないといけないようなトラブルも多いはず。
実際にぼくは1週間以上サポートへ連絡しまくりました。
その度に担当者が代わるので、一から説明するのはあまりにも効率が悪いですよね。
そんな時には、サポートへの直通電話番号を教えてもらいましょう。
この番号にかけると、さっきのサポート画面でいろんな項目を選択するなど面倒な手続は一切なし。
そしてもう一つ大切なのが、予約番号(たしかそんな名前だったと思う)を電話を切る前に教えてもらうようにします。
この番号を伝えると担当者が代わっても、いちいち初めからトラブルの内容を説明する必要がなくてスムーズに対応してもらえますよ。
継続サポートを受ける時にはこの2つを忘れずに!
- 直通電話番号
- 予約番号
Appleサポートを受けてみて
1週間以上Appleのサポートを受けてみて感じたことを最後に少しだけお話ししますね。
とても親身になってサポートしてくれて嬉しかったです。
結果としては完全に解決には至りませんでしたが、おおむね満足しています。
特にあるサポートの方の言われた言葉が印象に残っています。
昨夜担当させてもらったものです、あの後どうなかったかずっと心配だったんです。
この一言だけでもとても嬉しかったです。
もちろん、自分一人では絶対にわからないようなマニアックな作業なども教えていただいて、とても感謝しています。
いろんなサポートを受けてきましたが、Appleのサポートはとてもクオリティーが高いと感じました。
Macの調子が悪くなったらサポートを頼ってみてはどうでしょうか。