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使い捨てにされるカンボジアの工場労働者。安いものを求め続けることの危険性を認識せよ

投稿日:2013年9月24日 更新日:

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物価が上がり続けるから最低賃金が上がっても苦しいまま

カンボジア人の友人と夕食を食べている時にカンボジアの工場労働者についての話題になりました。

みなさんはカンボジアの工場で働いている人たちの賃金をご存知ですか? この記事を最初に書いた2013年9月現在のカンボジアの最低賃金は80ドルでした。

以前は61ドルだったものが、度重なるストライキにより年々引き上げられ、2017年、縫製業、被服業、製靴業に従事する労働者の最低賃金は153ドルになっています。

あるNGOが工場労働者の生活状態について調査を行った結果では、彼らは十分な栄養が摂れておらず、人間らしい生活を営むためにも最低でも150ドルの賃金は必要だと言っているようです。

この調査も少し昔のものなので、今の彼らが150ドルで生活できるのかいうとそうではないはず。カンボジアでは賃金が上がっても、物価も年々上昇しているからです。

ジェトロによるとカンボジアの消費者物価上昇率は2013年から2015年の3年間で次のように上昇しています。

消費者物価上昇率(%)
2013 3.0
2014 3.5
2015 3.5

ぼく自身もカンボジアの物価の上昇は身をもって感じています。

特に物価の上昇を感じるのがバイクタクシーやトゥクトゥクの運賃です。

2013年にはプノンペンの中心から空港までトゥクトゥクを使っても10ドルも払えば十分行けた(6ドルで行けたこともある)のですが、2016年にカンボジアに行った時にはとてもとても10ドル程度じゃ無理って感じになってました。

2017年には最低沈金が150ドルほどになったとしても、生活は相当厳しいでしょうね。自分の給料が上がったとしても、支出も同じように上がっていくんですから。

信じられないかもしれませんが、カンボジア人の多くはバイクを所有し、日本とそんなに変わらないような価格のガソリンを買っているんです。

日本人(仮に月収が20万円だとする)が買う120円/Lのガソリンと、カンボジア人(仮に月収2万円だとする)が買う120円/Lのガソリンを比べてみます。どれだけ負担になるかっていうと日本人の10倍も負担になるんです。これは正直辛いですよね。

ほとんどのものを海外に依存しているから物価が高い

なんでこんなに物価が高いのか?

それはカンボジアではほどんどの製品(特に工業製品やインフラ)を海外に依存しているからなんです。

スーパーマーケットに行くとそのことがめちゃくちゃわかります。商品棚に並んでいる商品がほとんど外国製なんです。

  • 牛乳などの乳製品
  • ジュース
  • シャンプーや石けんのお風呂用品
  • 歯ブラシや歯磨き粉など
  • 洗濯用洗剤や住居用洗剤
  • 調味料

挙げたらきりがないくらい外国製製品で溢れかえっています。

その他、車やバイクなどの工業製品も多くは外国からの輸入です。バイクはようやくカンボジアでも作られるようになりましたが、多くはタイからの輸入です。

電気だって外国頼み。カンボジア国内にも発電所はありますが、まだまだ規模が小さいので価格が高いんです。だからより安い外国の電気を買っているんです。カンボジアの電気はお隣の国、タイやベトナムからやってきます。

みんな大好きスマホや携帯電話だって外国製です。エアコンなんかは韓国のLGが幅をきかせています。

実際にぼくはカンボジアに住んでいた時には、カンボジアの物価はそんなものだと思っていたんですよ。でもタイに行った時にビックリしてしまいましたね。めちゃくちゃ物価が安いんです。

カンボジアで売られている牛乳はタイ製なんですが、タイで買うとカンボジアの半値でしたからね。

工場労働者は低賃金なうえに田舎へ仕送りをしなければいけない

カンボジアの工場で働く労働者の最低賃金は2017年現在153ドル。

この金額が多いのか少ないのかっていうと圧倒的に少ないです。

カンボジアでは、普通に食事をしても1食1ドルくらいかかります。そうすると食費だけでも3ドル、1ヶ月でも約90ドルかかります。

もちろん食べるだけは生きていけませんよね。その他にも色々と出費があるはず。

  • 住居費
  • 携帯電話代

こんなのは絶対に必要ですからね。

でもそれだけではありません。彼らにはさらに大きな出費があるんです。それは地方の家族への仕送りです。

多くのこうした工場労働者は地方出身者です。地方にいる家族を支えるためにプノンペンまで出稼ぎにきているんです。

だから彼らは得られた給料を地方の家族に仕送りしなければいけないんですね。

ただでさえ収入が少なく自分の生活も大変なのに、家族への仕送りもしなければいけない。もう限界でしょ。

さらに悪いことにこうした工場の労働環境は劣悪なことが多いんです。労働者の中には劣悪な環境での長時間労働、栄養失調により倒れる人たちも多いと聞きます。

2015年に国際人権NGO ヒューマンライツ・ナウの調査によると、カンボジア国内での縫製工場の労働環境が極めて悪いという調査結果が出ています。

カンボジア・縫製産業で違法な搾取労働が横行 政府および国際ブランドの責任が問われている。

このドキュメントからいくつか紹介しますね。

シフト制で 24 時間勤務を男性・女性労働者がすることになっているという。明らかに法令に反する長時間残業の強要に該当することとなる。ところが、こうした長時間の残業を強いられているにも関わらず、月額の支払いが 200 ドルまでになることはないという。

就業時間は午前 7 時から午後 4時までと定められているにもかかわらず連日残業を命じられ、しばしば 24 時間連続の残業もあると訴えた。しかし、6 時以降の残業代はやはり支払われないという。

労働者はこのような過酷な 24 時間残業をしばしば命じられるが、残業を断ることは事実上不可能だという。ECO Base Factory Ltd ではタイムカードのシステム上、残業をせざるを得ない状況だといい、Zhong Yin (Cambodia) B Textile Co., Ltd の労働者は、「残業を更新しなければ期間更新してもらえないという恐れがある。従うしかない。」と訴えた。

Full Fortune Knitting Ltd の労働者は、「2014 年に天井が崩れ、労働者がケガをする事故があった。今も雨が降ると雨漏りがする」と訴え、「アイロンのコンセントから火花が出ることがあり、作業中にケガをする労働者もいる」「夜間は入口 1 か所を除き、全ての扉を閉め、避難出口までが遠いため、いつも事故が心配である」「工場内の指示等は英語表記が主であり、クメール語表記がない」と訴えた。

こうした劣悪な環境で働かされる。実際にこの報告書の中では世界的な企業の名前も出てきます。

ユニクロやGUを展開するファーストリテイリング、H&Mなどです。

これらのブランドというと、第一にイメージするのって「安い」っていうことじゃないですか?

ぼくらが極端に安いものを求めるっていうことが、こういった悲惨な状況で働かされる人たちを生んでいる。カンボジアのこういった工業で働く人たちは、ぼくらの犠牲者とも言えなくはないんじゃないか?

もう「ただ安ければいい」っていう考え方はやめないか?

もっとぼくらは目の前の見えるものだけじゃなくて、その先にあるものもしっかりと見通していかないといけない。

横田氏、カンボジアのユニクロ下請け工場に潜入 | 文春オンライン

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