味だけではおいしさは決まらない
味の素を入れたらなんでも美味しくなる。
そう信じてどっさりと味の素を入れまくる人っていますよね。
ぼくがカンボジアにいた時にはその傾向が日本より強くて、どんな料理にも味の素を入れるって言うのが常識。人々の中に味の素は深く浸透してるんだなぁって感じたものです。
日本人が作り出した味の素。現地では日本人だと判ると決まってこのセリフを言われたもんです。
Ajinomoto!
まあそれほど味の素って日常生活に浸透している調味料です。
確かに味の素を入れたら料理はおいしくなります。レストランなんかで食べる美味しい料理にも使われてるし、家で食べるレトルト食品なんかにも使われています。
原材料のところを見てみましょう。
アミノ酸等
こういう表示があれば味の素などのうまみ調味料が使われているって思って間違いないでしょう。
本当に何にでも使われていますよね。販売されている加工食品のほとんどに使われています。
これは味噌。
こっちはドレッシング。
さらには茶葉にも入ってることもあります。以前煎れてもらったお茶の味がいつも飲んでるのと違った(旨味を感じる?)なぁって思ったらうま味調味料が入ってたって知ってビックリ。煎れたお茶に入れるんじゃなくて、茶葉自体に入ってたんですよ。これにはビックリしました。
高級なお茶は旨味があるっていうからと言って、うま味調味料を入れるか?って感じですよね。
ここまで味の素が使われる理由はおいしいからに他なりません。
味の素を入れたらおいしくなる。それは認めますよ。ぼくがここで言いたいことは、
味の素だけじゃおいしさはたかが知れてる
ってこと。
味の素にはコンブなどに含まれているグルタミン酸、鰹節などに含まれているイノシン酸、干し椎茸などに含まれているグアニル酸が含まれています。
これが味の素の栄養成分です。
グルタミン酸ナトリウム 97.5%
イノシン酸ナトリウム 1.25%
グアニル酸ナトリウム 1.25%
味の素商品情報より引用
これだけみたらコンブ出汁、かつお出汁、干し椎茸出汁を混ぜたものになるのでおいしいに決まってると思うかも知れません。
でもやっぱり、味の素を溶かした湯とコンブ、かつお、干し椎茸の3つの出汁を混ぜたものを比べたら出汁の方がおいしいって感じるはず。
それは人がおいしいと感じるためには味だけでなく、他の要素もあるからなんです。
人が美味しいと感じるのに重要な要素、味より大きな影響を与えるのがにおいです。
香りもおいしさを決める重要な要素
人間の舌には味を感じる細胞があり、甘み、塩味、酸味、苦味、うま味を感じる事ができます。
そして、この味を感じる細胞よりはるかに多くの種類の匂いをかぎ分けられる細胞が鼻にあります。その匂いの種類はなんと数千〜一万とも種類とも言われているんです。
口に入れた食べ物の香りは口の奥から鼻に抜けます。その時に香りを感じる細胞を刺激し、その信号が脳で処理されるんです。
この時に舌で感じとった味の情報と鼻から伝えられた情報、さらに学習や経験によって得た情報を総合して脳が判断し、自分の感じる味が決まると言われてます。
実際にやってみましょう。同じ出汁を用意して、一つは普通に飲んでみる。もう一つは鼻をつまんで飲んでみる。鼻をつままないで飲んだ出汁の方が美味しく感じるはずです。
このように香りが味を決める重要な要素だってことがよくわかりますね!
だから本当に美味しいものを食べたいならば香りを無視してはいけない。
料理を作る時には香りとうまみを意識しよう
うま味調味料は手軽だけど香りというものにもっと気を付けたいですね。特に香りが重要な役割を持つ、澄まし汁なんかの汁物、煮物なんかは要注意。
香りがない澄まし汁は魅力90%ダウンですよ。ほんまに。
逆にスパイスを効かせた料理にはうま味調味料でもいいのかな。そう考えるとカンボジアの濃い味付けの料理には味の素ドバドバはOKなのかなと思わないでもないです。まあこの変は臨機応変にと言うことで。
とにかく料理を作る時には味付けに意識が向きがちですが、香りにも意識を向けるということでやっていきましょう!