京都のある居酒屋ですごく嫌な光景を見てしまいました。
ぼく自身すごく後味の悪いと言うか、無力さを感じた出来事だったんです。
今回はそんな話をさせてください。
トラウマになりそう……
暴力を前になにもできない無力感
居酒屋のちょっと奥まった場所にある、人の目が届きにくい隅の席。
ここに若いお兄さんと40代後半から50代の男性がいました。
はじめはそんなに気にしてなかったんですけど、あまりにも不自然な2人だったので嫌でも気になってきたんです。
若いお兄さんは背筋をピンとして微動だにしない。
テーブルに置かれたご飯も手つかず。ただただ体が固まっている。
気にするなっていう方が無理な話ですよ。
ちょっとその2人を観察してみることに。
仕事関係なのかな?若いお兄さんが怒られてる。そんな風に見えたんです。
そんなふうに思ってたんですけど、ずっと彼らの行動を見てるとそんな単純な話じゃないのかなって。
とにかくおっさんがとにかく怒ってるんですよ。
激怒してる
さらにおかしいことが。
おっさんがお兄さんのスマホを取り上げて何かしてる。
そう思った時、お兄さんの手元にノートとペンがあるのを見つけました。
おっさんの怒りの声がところどころこっちまで聞こえてくる。
紙に何か書くことを要求してるみたい。
どうやら念書のよう。
すごく高圧的な態度でお兄さんに謝罪の言葉を紙に書かしてる。
そうしたら当然大きな音が。
テーブルを叩きつける音でした。お兄さんのスマホを思い切りテーブルにたたきつけたみたい。
怒り狂ってるおっさんはビールを飲んでるのでもう少しは酔っぱらってるみたい。
一方、お兄さんの方はって言うとウーロン茶。
なんて思っていたら、おっさんの行動はエスカレート。
おっさんは突然立ち上がると、正面に座っているお兄さんのすぐ隣まで行きました。
そして覆い被さるように。
ボン!ボン!
いきなり殴ったです。グーでね。
お兄さん、何発も殴られました。殴られたけどまったく抵抗する様子もなかった。
お兄さんのかけてた眼鏡が床を滑ってぼくの足下まで飛んできました。
眼鏡を取りに来たお兄さんの頬は切れて血が…
さすがに店長らしい人が見かねて彼のところへ行きましたよ。
情けない話だけどぼくは何もできなかった。一緒にいた友達だって、その他のお客も。
唯一、店長さんが止めに入った。あの場にいた人間ができたことって、それが精一杯だったんです。
お兄さんにはなんかすごく申し訳ない気持ちでいっぱい。
すごく自分が無力だなって。
深刻な事態に直面しても何もできやしない。だからこそ何ができるのか考えるべきなのだ
当時、この店には僕だけじゃなくて他のお客さんもたくさんいました。
もちろんお客さんだけじゃなくて、店員さんだって何人も働いてたんですよ。
みんな、こんな酷いことが行われているってことを知ってた。
でも、誰も何もできなかった。
この店だから、誰も何もしなかったって訳じゃありませんよ。
きっと他の店でも同じようなことになる。
助けたいと思ってはいるけど、何もできないんです。
本音を言うと、暴力を振るう変なおっさんに関わり合いたくなかった。
下手したら、自分にまで被害が及んでしまうかもしれない。
そういう思いがあったんでしょうね。これは否定できません。
いや、そう思ってました。
人はまず自分を守ろうとするもんです。自分を守ることが一番大事。
だから、自分のところに相手の攻撃の手が行かないように無視を決め込んでしまう。
これは仕方がないことです。
でも、なにかできることはないのかな?
そんな自体に陥った時どうしたらいいのか、少し考えてみることにしました。
最低でも、お店だったら店員さんに伝えるべきですね。
場合によっては警察へ通報してもいいかも。
とにかく何もしないのではなくて、なにかできることを決めておくべき。
当事者の言うことは聞いてはいけない
暴力を振るってる人の言葉「大丈夫」は信用できない。
そして、暴力をふるわれてる人の「大丈夫」という言葉も信用してはいけない。
大丈夫、大丈夫
おっさんがお兄さんをを殴った時に、見かねた店長が止めに入りました。その時におっさんの口から出てきた言葉がこれ。
おっさんの言い分は、「全然大丈夫だから気にしないで」です。
そしてお兄さんは「全部自分が悪いんです」と言ったそう。
おっさんの「大丈夫」の意味が分からないし、お兄さんの「自分が悪い」っていうのもちょっと違うと思いました。
明らかにおっさんはやり過ぎだし、それに対して耐えるだけのお兄さんが気の毒で仕方なかった。
当事者の発言なんて真に受けていたらダメ。
暴力を振るっている側の「大丈夫」っていう言葉は全く信用に値しない。
殴られてるお兄さんの言葉だって、本当に心からそう思ってるのかなんてわからないでしょ?
目の前に暴力を振るう凶悪な人間がいるわけですよ。その人の目の前で「こいつが悪い」って言ったら、次どんな目にあわされるかわかったもんじゃない。
だから、全部自分が悪いことにするんです。それって真実ではないですよね 強要された言葉。
絶対に当事者の話はまともに聞いちゃいけない。
「明日の新聞に殺人のニュースが載ったとしたら後悔してもしきれない」という友人の一言
結局、その二人は勘定を済ませて店を出ました。
お兄さんは頬から流血したまま。
店長さんは二人が気になったようで、彼らが店を出た後すぐに後を追ってしばらく見送ったようです。
そして帰ってきた店長さんの口からはこんな言葉が。
店長さんのキックするポーズから、店を出た後もそのおっさんはお兄さんを蹴ってたみたい。
一緒にいた友人がポツリと一言。
ぼくも全く同感だし、他の店員さんやお客さんだって同じ気分だったんじゃないかな。
やっぱり止めるべきたった?
酷い暴力に遭遇した時にあなたにできること
目の前で酷い暴力がふるわれていた。そんな時にはどうしたらいいのだろう?
果敢に相手に立ち向かって制止するのがいいのか?
ぼくはそうは思わない。というかそんな勇気はない。じゃあどうするのか?
まずは、誰か他の人に知らせることが大事だな。自分ひとりで対処しようとしないで、対処できる人に協力してもらうこと。
一番良いのは警察。通報するのが一番。
なぜなら、通報することによって警察が動けるようになるから。
今回の件で、どうしたらいいのか専門家でもある警察に聞いてみました。
要するに、被害者(この場合はお兄さん)が加害者(おっさん)を処罰してほしいという意思表示をしないと警察は動いてくれないってことなんです。
でも、暴行は「今」行われているわけです。
こんな状態でお兄さんは警察に被害届を出せるわけないし、通報すらできないですよね。スマホも取り上げられてたし。
だからまわりにいる人間が警察に通報する。そうすることで彼への暴行を止めることができるかもしれない。
警察の方はこのようにもおっしゃってました。
やはり、ここでも被害者の意思っていうのが大事になってくるようです。
被害者が「大丈夫」って言ってしまったら、警察もそれ以上はなにもできないってことらしいです。
暴力を振るう人間が目の前にいたら「大丈夫」って言ってしまいそうですよね…
もちろん、話は別々に聞くらしいんですが、被害者が本心を話すっていうのは大変な気がするなぁ。
家の場所とか知られてたら、報復を恐れて本心を言えないってことも十分に考えられるしね。
被害者の本心を受け止める方法ってないのかな?
なんか絶望的な気分になってきたけど、これだけは言えます。
酷い暴行現場に遭遇した時には迷わず警察へ通報。
まとめ
今回は、身近で起きた暴行現場について書きました。
結局どうしたらよかったのか?
それについては正直これといった答えはわかりません。
でも実際に警察にも話を聞いて、ヤバイと思ったら通報したらいいということは覚えておこうと思いました。
通報したとしても、最終的には被害者の意思次第ということ。
でも、何もせず人が暴力を振るわれているのを見るのは辛い。自分にできることはやっていきます。
警察に相談毎がある場合には110番じゃなくて、警察の相談窓口#9110です。
警察相談専用電話#9110