2014年、カンボジアの首都・プノンペンに公共交通機関である市バスが登場しました。
これまでは、プノンペン市内の移動と言えば車やバイク、トゥクトゥク(バイクの後ろに客車を繋げた乗り物)などに限られていたんですが、新しい交通手段の登場でプノンペンの生活も少し変わってきたんですよ。
トゥクトゥクをお得に乗れるアプリの使い方はこちらで紹介しています。
今回は新しい市民や旅行者の足・プノンペンの市バスについて、路線や乗車方法などについて紹介していきます。
プノンペンの市バスは3路線
2018年4月現在、市内を走る路線バスは9路線。
プノンペンの観光や生活に重要な路線を中心に紹介していきますね。
モニボン通りを南北に走る LINE1
市バスとして最初に開通したのがLINE1。
プノンペンの主要道路の一つ、モニボン通りを南北に貫いて走る路線です。
ラインカラーは緑。
北はプノンペンの北の端 “Kilometre 9″から南はバサック河を越えて”Okaha Suy Sophan Bus Terminal”までととても長い距離を走ります。
これは正確ではないですが、路線のおおまかなのイメージはこんな感じです。
セントラルマーケットからボンケンコンエリア、ワットプノンへの移動などが楽。
ノロドム通りを南北に走る LINE2
LINE2はイオンモール2号店を始発として、ワットプノンを経由して官公庁街のあるノロドム通りを南北に貫きます。
ラインカラーは赤。
イオンモール2号店に行く人
空港方面から市内へ走る LINE3
LINE3は、プノンペン空港の西から空港を経由してプノンペン市内へ向かう路線です。
セントラルマーケットあたりまで来ると北上してワットプノンを経由してさらに北へ向かいます。
空港利用者など乗客の多い路線。
ラインカラーは青。
空港からセントラルマーケット周辺まで行く人。ただしバスの運行時間が朝の5:30から夜の8:30までなので、飛行機を利用する時刻は気にしておく必要があります。
市内西部からイオンモールへ向かうのに便利 LINE7
終着点がイオンモールの路線です。
市内西部を通って、カンボジアの庶民的なマーケット・オルセーマーケットや独立記念塔を経由してイオンモールまで向かいます。
ラインカラーはオレンジ。
イオンモールやオルセーマーケットに行く人
市バスを利用する便利なアプリ「Stops Near Me Phnom Penh Bus」
市バスを利用する時に欠かせないのが市バスのアプリです。
なぜ欠かせないかと言うと、市バスは路線が急に変更になることがあるからなんです。
バス停の案内は古いまま、路線が変わってしまうと困りますよね。
そんな時でもアプリがあれば最新の路線図を確認できるので安心ですよ。
最新の路線図が表示される。
バス停の詳細情報も表示されます。
さらに便利なのはバスの位置も表示されるので、バスが近づいてきたらアラームで知らせてくれるんです。
これは便利ですね!
市バスはどこまで乗っても1,500リエル(約40円)と激安
これまでのプノンペンの移動手段といえば、バイクタクシー(モトドップ)、客車をひくバイク(トゥクトゥク)、メータータクシーでした。
でも、これらの移動手段の欠点と言えばすごく値段が高いこと。
たとえば、空港からリバーサイドのホテルまで移動しようと思ったら10ドルくらいかかるのが普通です。下手するともっと高額な金額を請求されることだって。
それに比べて市バスの料金はなんと1,500リエル。
1ドルが4,000リエルなので、10ドルだったら40,000リエルですよ。
それが市バスを使ったらたったの1,500リエルで行けちゃうんです。約26分の1の値段です。これは衝撃的!
ちなみに市バスの料金は一律1,500リエルなので、どこまで乗っても同じ値段なんです。これは嬉しいですね!
市バスの乗り方紹介
ここからは、市バスの乗り方についてぼくの体験をもとに書いていきます。
大まかな流れとしてはこんな感じです。
- バス停でバスを待つ
- バスが来たら前扉から乗る
- お金を払う(現金またはICカード)
- 降りるバス停が近づいてきたら降車ブザーを鳴らすか運転手に降りることを告げる
- 中扉から降りる
それでは実際にバスに乗ってみましょう。
まずはバス停に。こんな看板が目印です。
看板の一番上に書いてある番号がLINE番号です。このバス停はLINE2のバス停という意味。
バスが来る前に念のため自分が降りるバス停を確認しておきます。
各バス停には番号が振ってあるので覚えておくと安心。
ただし、バス停の番号はそれぞれ2つあるのでご注意を。
行きのバス停と帰りのバス停は同じバス停でも番号が違うんです。
バスは10〜15分間隔と本数も多いのが嬉しいですね。田舎に住んでいるぼくとしては感動ものでした。
バスが来たら前扉から乗車です。日本のバスのように完全に停車しないことがあるので、扉が開いたら素早く乗り込みます。
バスに乗り込むと最初に料金を支払います。運転席横に設置されている箱の中に1,500リエルを入れるか、ICカードをタッチ。ちなみにクメール正月の3日間は無料です。太っ腹!
ICカードはWingなどのカードが使えるようです。
バスに乗ったら座席でおとなしく。車内の様子はこんな感じ。
目的地まではのんびりと。車窓からの眺めを楽しんでもいいですね。クーラーが効いてるのでめっちゃ快適!
このおばちゃんは運転手さんと親しげにおしゃべりしてました。
そしてコーラをカバンから取り出すと運転手さんにあげてました。
なんとものどかな風景。いいなぁ〜
そして、目的地が近づいてきたので降車ブザーを鳴らします。
バスによって降車ブザーはちゃんとついてるバスもあれば、ブザーが壊れて動かないバスもあります。
降車ブザーがないときには余裕をもって伝えにおきましょう。直前に言っても、相手に言いたいことが通じる前にバス停を通り過ぎてしまうことがあるので。
降車ブザーがない場合には運転手さんに止めてくれるように伝えにいきます。
ចុះនៅក្រោយ(チョッ ナウ クラウイ)
運転手さんは理解してくれたみたい。
伝えたバス停に無事バスは停車したので、バスの真ん中の扉から下車です。無事到着!
これがプノンペンの市バスの乗り方です。
市バスのここが難しい!気をつけるべきポイント
実際に市バスに乗って感じたこと。
難易度が高い
その理由について説明しますね。そしてどうやったら市バスに安心して乗れるのかっていうことについても考えてみたいと思います。
車内アナウンスがないので降りる場所がわからない
一番困ったのは車内アナウンスが一切ないってこと。
ぼくにとって幸いだったのは、実際にカンボジアに3年間住んでいて、プノンペンの地理についてもある程度は理解していたことですね。
だから自分が降りる場所についても、ある程度は想像することができました。
でも、初めてプノンペンに来て、右も左も分からない状態で市バスに乗るのってかなり大変。
そこで、はじめてプノンペンに来た人が市バスに乗る時に注意すべき点についてまとめてみました。
- バスに乗る前に降りるバス停の名前と番号をしっかりと覚えておく
- バスに乗ったらすぐに係の人に自分が降りるバス停を伝える
とりあえずこの2つをやっておけば、土地勘がなくてもバスを止めてくれるはずです。
英語が通じないかもしれないので、クメール語で降りるバス停を伝えられるようにしておく
ぼくが乗ったバスの運転手さんと係の人。彼らが英語を話せるかできるのかどうかはわかりません。
降りたいバス停を言うだけなんだから、たぶん英語でも大丈夫だとは思います。
でも、念のためクメール語(カンボジア語)も降りるバス停を伝えられるようにしておいた方がいいですよね?
ぼくが使う簡単なクメール語の単語をしておきますね。
意味 | クメール語 | 読み方 |
---|---|---|
降りる | ចុះ | チョッ |
○番 | លេខទី○ | レークティー○(○の部分に数字が入る) |
次 | ក្រោយ | クラオイ |
これを使って降りたいバス停を伝えてみます。
たとえば、5番のバス停で降りたい場合にはこんな感じ。カンボジア人からするとおかしな言葉と思われますがこれで通じます。
ចុះនៅលេខទី5(チョ ナウ レークティープラム)
5というのは“プラム”です。
こういう日常的につかうカンボジア語の会話は指さし会話帳にすごく詳しく載っているのでおすすめです!
まとめ
プノンペンの市バスを使うメリットはこの2つ。
- 1,500という破格の安さ
- 10〜15分間隔での運行という便利さ
まだまだ路線が3つということもあって、行きたい場所へ行けるわけではありませんが主要な場所への移動手段は確実に広がっています。
ぼく自身、はじめて市バスに乗るときはビビりましたが、実際に乗ってみると意外に快適でした。
これはちょっとハマりそうです。
とりあえず、指さし会話帳を持っておけば安心できますよ〜