「お菓子作りには無塩バター」は本当か?
今回はお菓子作りをする人にとっては必需品のバターについて実験をしてみました。
そもそもの疑問はお菓子作りにバターではなくマーガリンを使ったらダメなのか?ってこと。
バターもマーガリンも同じようにトーストに塗って食べますよね。見た目もそっくり。
こんな風に思ったわけです。
これは確かめないといけないな。ということで実際にバターを使ったクッキー、マーガリンを使ったクッキーを作ってバターとマーガリンの違いを比較することにしました。
クッキー自体は、バターとマーガリンの違いがわかりやすいようにシンプルなクッキーを作ることに。特別な材料は入れずに作ります。
バターとマーガリンを使ってクッキーを作る
今回はバター 、マーガリンそれぞれを使ったクッキーを焼くので材料は2セット用意します。 バターとマーガリンの部分を変えるだけで、あとの材料は同じです。
レシピはこちらのサイトを参考にさせていただきました。
プレーンクッキー | 渡部和泉さんのレシピ【オレンジページnet】プロに教わる簡単おいしい献立レシピ
材料
- バター(マーガリン):50g
- 小麦粉(薄力粉):120g
- 卵黄:1個分
- グラニュー糖:40g
- 塩:ひとつまみ
作り方
バターと卵黄を冷蔵庫から出して常温に置いておきます。
バターをよく混ぜ合わせます。バターが冷たいとめちゃくちゃ大変。しっかりと常温に戻しておきます。
グラニュー糖を加えてよく混ぜ合わせます。バターとグラニュー糖がよくなじむようにね。
さらに卵黄を加えてよく混ぜます。けっこう腕が疲れてくるけど頑張ろう!
次に小麦粉を加えるんですが、しっかりと小麦粉はふるいにかけて入れます。ふるいにかけるって言っても大したことなくて、茶こしでふるったらきれいにふるえます。お手軽!
そしてまんべんなく混ぜ合わせます。なんかそぼろみたいなんだけど…
なんか微妙な感じですが続けましょう。レシピにはこう書かれていますから信じるよ!
全体がしっとりとしたそぼろ状になったらOK。
プレーンクッキー | 渡部和泉さんのレシピ【オレンジページnet】プロに教わる簡単おいしい献立レシピより
そして手で生地を集めてちょっと固めます。軽く固める程度でいいです。
この後、冷蔵庫で30分ほど寝かすのでラップに包みます。こんな感じで四角くまとめてラップに包みましょう。そして冷蔵庫へ。
30分経過しました。これから生地をのばしていきましょう!
大きめのラップを下に敷いて生地を乗せます。そしてその上から大きめのラップを被せましょう。ちょうどラップで生地をサンドイッチしてる感じです。こうすることで麺棒に生地がくっつくことなく生地を伸ばせるんですよ。
きれいに伸びるかな?
こちらが結果。
生地がボロボロ
仕方ないのでボロボロの生地を手で思い切り握って…
これでどうだ!
形は最悪ですけど、今回の目的はクッキーの味の比較です。だからこれで良しとしましょう。
オーブンのプレートにクッキングシートを敷いて形を整えたクッキーを並べます。
焼き上がった時に、バターのクッキーとマーガリンのクッキーがわかるように形を変えて作りました。バターのクッキーは楕円、マーガリンは普通の丸い形に。
オーブンはあらかじめ180℃に予熱しておき、クッキーを入れて10分焼きました。こちらが焼き上がったクッキーです。
【結論】お菓子作りには無塩バターを使え
それでは焼き上がったクッキーを早速食べてみましょう。
まずはバターのクッキーから。
つぎはマーガリンを使ったクッキーを食べてみます。
まず匂いからわかることは、バターのクッキーとは別物だってこと。
まず最初に感じたのが匂い。バターのクッキーでは感じなかったマーガリン特有の強い匂いがします。
味の方はどうでしょうか?
実際に食べて見ると味もバターとマーガリンでは大違いでした。
特にマーガリン特有のねっとりとした口の中にへばりつくような油の感覚がすごくありましたね。それに比べてバターのクッキーではそういう嫌らしいねっとりした食感はなかったんです。バターの方があっさりしています。
そしてもう一つ、無塩バターを使ったクッキーとの大きな違いが塩味。
マーガリンにはしっかりと塩が入っているので、その塩味をものすごく感じたんでしょう。それに比べてバターの方はまったく塩味を感じませんでした。もちろん使ったバターは無塩バターです。
お菓子作りには無塩バターを使えっていう理由がわかりました。普通の有塩バターを使うときっと塩辛いクッキーになってしまったはず。
ということで、クッキーをはじめとしたお菓子作りにはマーガリンじゃなくて無塩バター!
今回は無塩バターとマーガリンを使った実験でしたが、無塩バターと無塩マーガリンを使った実験もやりました!
失敗の原因はバターの温度か?
クッキーの生地がバラバラになってしまった原因も少し考えてみました。
ずばりバターの温度ではないかとにらんでるんですよ。
真冬の寒いキッチンで作ったのでバターがしっかりと溶けきらなかったために、生地にバターがまんべんなく混ざらなかったんです。
冬にクッキーを作る時には、しっかりとバターを温めて完全に柔らなくしてから混ぜること。
これは意識しないと!
おまけ:バターとマーガリンの違いは原料
バターとマーガリンってぱっと見ても同じように見えますよね。
さっきも書きましたけど、どちらもパンに塗って食べますしね。じゃあ何が違うんだっていうと、原料が違うんです。
バターの原料は牛乳から作られたクリームです。これを固めたものがバターなんです。
それに対してマーガリンの原料は何かというと植物油(たまに動物性油脂も使われることもある)です。
バター:牛乳から作られる
マーガリン:植物油から作られる
植物油っていうと液体を思い浮かべますよね?本来は液体の油を使いやすいように加工するんですが、この加工したものがマーガリンなんです。
油脂には飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸というものがあって、不飽和脂肪酸は常温で固体、不飽和脂肪酸は液体のものが多いんです。
バターの場合には飽和脂肪酸が多いので固体なんですが、植物油の場合には不飽和脂肪酸が多いので液体になっています。
植物油を飽和脂肪酸にしてしまえば固体になるんじゃないの?
その通りで、不飽和脂肪酸の植物油を飽和脂肪酸に変えるために行うのが水素添加というものなんです。これをやることによって植物油がバターのような固体になるんですね。
バターとマーガリンのちょっとした豆知識でした。