東洋のガラパゴスと呼ばれている小笠原諸島への唯一の交通手段がおがさわら丸です。
ほぼ1週間ごとに東京の竹芝桟橋と、小笠原諸島の父島を片道24時間かけて結んでいます。
このページでは往復48時間もの長い時間を過ごすおがさわら丸の過ごし方を紹介しますね。
おがさわら丸の運航日・料金は?
おがさわら丸はだいだい1週間ほどかけて東京〜小笠原〜東京と運行しています。
ただ、年末年始などの繁忙期には3日おきなど増便されることも。
詳しい運航日程は必ず小笠原海運のWebサイトを確認してください。
時刻表・運賃│小笠原海運運賃も時期によって異なり、例えば2020年12月で見るとこんな感じです。
等級 | 運賃(片道大人) |
---|---|
特等室 | 70,450円 |
特1等室 | 63,830円 |
1等室 | 49,500円 |
特2等寝台 | 35,750円 |
2等寝台 | 26,930円 |
2等和室 | 23,640円 |
運賃についても小笠原海運のWebサイトで必ずチェックです。
時刻表・運賃│小笠原海運船と宿をお得に予約するならおがまるパックや旅行会社のツアーを利用するといいでしょう。
おがさわら丸の客室
おがさわら丸には6種類の客室があります。
- 特等室(スイート)
- 特1等室(デラックス)
- 1等室(スタンダード)
- 特2等寝台(プレミアムベッド)
- 2等寝台(エコノミーベッド)
- 2等和室(エコノミー)
ぼくが利用したのは1等室と2等和室。
この2つは詳しく、その他はざっくりと紹介しますね。
特等室(スイート)
たった4部屋しかない特等室はめちゃくちゃ豪華。
キングサイズのベッドに専用のトイレやバス、冷蔵庫、テレビがついてます。
さらに専用ラウンジやデッキが使えるなんて最高ですね。
お値段はかなりのものですが……
特1等室(デラックス)
全部で24部屋あるのが特1等室。
シングルベッド2つにソファベッドも1台ついてます。
3人で利用するのに便利なお部屋ですね。
トイレやバスが部屋についているので、部屋からあまり出ずにゆっくりと過ごせます。
冷蔵庫もあるのがポイント高いです。
1等室(スタンダード)
39部屋あるのが1等室。
個室なのでカードキーを使って部屋に入りますよ。セキュリティも万全!
部屋は特等室や特1等室と比べると広さが約半分。
でも2人で使う分にはそんなに狭いとは感じませんでしたね。
こんなシングルベッドが2つあります。
ビジネスホテルなどにある一般的なシングルベッドと比べるとちょっと狭めかな。
窓があるので外の景色が楽しめるのがいいですね。
レイ
船が揺れて波がジャバジャバかかってたから景色はほとんど見られなかったけど……
ソファとテーブルがあるので、食事をしたりちょっとした作業するのにも最適です。
展望ラウンジ Haha jimaでおつまみ、ショップドルフィンでビールを買って夜食。
このテーブルでブログを書くのも楽しかったですね。
行きは大部屋だったのでパソコンを出すのもなんだか気が引けてたんで。
さらに素晴らしいのはテレビとエアコンが完備。
テレビは地上波、BSなども見られるんですが、東京湾でないとほとんど映りませんでした。
船内放送でいろんな映画なども流してあるので、それを見ると結構時間がつぶせます。
特に小笠原についての紹介ビデオが流れているので、行きに見るとすごく役に立つと感じました。
ぼくは帰りにみたので、後悔ばかりでしたね……
荷物が多いと不安ですが、心配無用。意外と収納スペースが多いです。
キャリーバッグなどはベッド下のこのスペースへ。
服などは入口入ってすぐのところにかけておきましょう。
スマホなどの充電に欠かせないコンセントも各ベッドについてます。
シャワーセットも部屋に置いてありました。
1等室以上の部屋ではケータリングサービスも頼めます。
1等室は個室なので、誰にも邪魔されずにゆっくりと過ごせるのが良かったです。
たまに窓の外を通りすぎる人が気になる程度で、24時間がそれほど長く感じなかったですよ。
特に荷物をずっと見張っておかなくていいのがすごく楽。
ゆっくりと船旅を楽しみたかったら1等室はオススメです。
特2等寝台(プレミアムベッド)
全部で178床あります。
上下二段ベッドでテレビとコンセント付。
ベッドは1等室よりちょっと幅が狭くなります。
2等寝台(エコノミーベッド)
全部で260床あります。
上下二段ベッドでコンセントがついてますよ。
おがまるパックを申し込むとこのクラスの部屋になります。もちろんアップグレードは可能ですが。
2等和室(エコノミー)
全部で286床。
東京から小笠原へ行く時に利用したのがこのクラスです。
ベッドはなくて床にマットをしいて寝る部屋ですよ。
それぞれ小さな仕切りで頭の部分だけ目隠しのようになってます。
もちろんベッドはなくて、薄めのマットレスとかけ布団のようなもの、そして枕が置いてあるだけ。
枕は救命胴衣の横にしまってあります。
荷物は上のスペースに置いてください。
誰でも自由に出入りできるし、荷物なども外から丸見えなので盗られないにずっと気を張っていないといけなかったのが疲れました。
上の物置には小さなリング状の突起があったので、ワイヤーなどで盗られないように固定しておくといいかも。
あとは貴重品は絶対に肌身離さず持っていました。
寝る時も抱いて寝るくらい用心しましたね。
船内には4デッキに貴重品ロッカーがあるので、こういうのも利用するといいと思います。
ただしこのロッカーはすごく小さいので、財布とかくらいしか入りません。
パソコンやカメラなんかはしっかりと自分で管理してください。
あと、すごくストレスになったのは電源。
1部屋に電源は奥に4つくらいあるだけなんです。
コンセントは他の人が使ってたら使えないし、充電するために他の場所へ移動しないといけないのがすごく面倒くさかったです。
この部屋に泊まる時には絶対にモバイルバッテリーを持っていきましょう!絶対ですよ!
部屋は土足禁止なので、靴は入口にある靴箱へ。
2等和室は4デッキより下にあります。
ぼくが利用した部屋は3デッキなのでまったく窓はありません。ちょっと寂しい。
ちなみにこんな感じで2等和室が何部屋があります。
隣の部屋とは完全に仕切られているわけじゃないので、結構音は聞こえてきます。
ちょうど隣の部屋に小さなこどもがいたので、結構こどものはしゃぐ声が響いてました。
音が気になるなら耳栓を持っておくと安心です。
おがさわら丸のショップなど
おがさわら丸には24時間の船旅を快適に過ごす場所がいろいろあります。
特に2等和室を利用した時には、部屋にいても全然落ち着かなかったんでいろんな場所に行きまくってました。
レストラン Chichi jima
乗船口のある4デッキにはレストランChichi jimaがあります。
ここではしっかりとしたごはんが食べられますよ。
カレーや麺は券売機で食券を購入。その他はレジで注文してお金を払います。
支払方法は現金か交通系ICカードです。
メニューは結構豊富でステーキやビーフシチューなどの洋食から、丼、ラーメンなどの麺類、カレーライス、おつまみまで。
ぼくが実際に食べたごはんはこちら。
チーズカツレツ(1,300円)はごはんと味噌汁つき。
これを食べた時、船がめちゃくちゃ揺れててあんまり味わえませんでした。
はやく食べ終わって外に出たかったです……
定番のカレーもありますよ。
写真のカレーライスは900円。おなかいっぱいになりたいならヒレカツカレーライス(1,200円)もあります。
レストランは結構広くて快適です。
特に奥の方はいい感じの照明で、さらに外が見えるカウンター席があるんですよ。
営業時間は次の通りです。ラストオーダーは30分前なのでご注意を。
東京→父島 | 11:15〜14:00 17:30〜21:00 7:00〜10:00 |
父島→東京 | 17:30〜21:00 7:00〜9:00 11:30〜14:00 |
展望ラウンジ Haha jima
7デッキにある展望ラウンジ Hana jimaはちょっとした軽食が食べられるラウンジです。
レストランと比べると狭いですが、外の景色がよく見える雰囲気のいい場所です。
席も少なめなのですぐに埋まってしまってましたね。
座りたくても席がないなんてことがザラ。
一部の席にはコンセントがついてるので、パソコンを使って色々やってる人も多かったです。
調味料などが置いてあるこのスペースにも、スマホの充電用コンセントがあります。ピンチの時には使いましょう。
スマホのバッテリーがピンチな時はここで充電できます!
展望ラウンジ Haha jimaのメニューは軽食がメインです。
カウンターで注文しましょう。
支払いには現金と交通系ICカードが使えます。
こんなものを食べましたよ。
船で焼いてるアップルパイ(400円)。
朝ごはんで食べたアボカドサンドウィッチのセット(800円)。
島塩ソフトクリーム(450円)はかなり塩気が強くて、最初食べたらビックリするけどクセになりそうな味でした。
営業時間は次の通りです。ラストオーダーは30分前。
東京→父島 | 12:00〜21:00 7:00〜10:00 |
父島→東京 | 16:30〜21:00 7:00〜14:30 |
父島へ行くときには、朝の9時になったらタイムセールでお買い得になってました。
ショップドルフィン
ぼくが一番よく利用したのがここ。
パンやお菓子、カップ麺、アイスなどが揃うコンビニのようなお店です。
6デッキにありますよ。
小さいお店なんですが、小笠原のお土産なんかも売ってます。
小笠原でお土産を買い忘れたと気づき慌てても安心。種類はそれほど多くないですが、いいかんじのお土産が揃ってます。
おがさわら丸のグッズもありますよ。
もちろんちょっとしたお菓子やパン、カップ麺なんかも売ってます。
レストランなどで買うと結構お値段が高いですが、売店だとかなりリーズナブル。
食費を浮かせたい時には欠かせない存在です。
ぼくは念には念を入れて京都から生八ツ橋を持って行ったので、海の上で京都の気分も味わえました。
カップ麺は各デッキにある給湯室でお湯を入れればOK。
アイスや冷凍パスタも売ってます。
ハーゲンダッツ!
冷凍パスタは店の中の電子レンジですぐに温められるので便利。
水やジュース、お酒もリーズナブルです。
なぜか普通のペットボトルの水より、炭酸水の方が安くて驚きました。
レイ
なんか得した気分
ビールもいろいろありますよ。ぼくは沖縄のオリオンビールをいただきました。
せっかくだから小笠原らしいチューハイはいかがでしょうか。
小笠原のレモンを使ったチューハイです。京都の会社が作ってます。
暇つぶしに雑誌なんかも売ってますよ。もちろん小笠原のガイドブックのようなものも置いてました。
ぼくが一番よく買ったものはコーヒーです。
コンビニによくあるコーヒーマシーンが置いてあって、3種類くらいからコーヒーが選べるんです。
ここなら150円からコーヒーが飲めるのでお手頃。
一番高級なコーヒーはいつも終盤になると売り切れに。飲むなら早めにどうぞ。
営業時間は次の通りです。
東京→父島 | 11:00〜21:30 7:00〜9:30 |
父島→東京 | 15:30〜21:30 7:00〜14:30 |
エントランス
乗船した場所がエントランスで、ここには案内所や貴重品ロッカー、冷蔵ロッカー、公衆電話があります。
公衆電話は衛星電話なので結構高いみたい。100円硬貨専用です。
案内所の向かい側には小笠原の情報がいろいろと集まったスペースがあるので、旅の予習をするのにいいですよ。
小笠原のことが書いてあるパンフレットや船内案内などいろいろ持って行けます。
島の方々のメッセージもありました。
トイレ
船の中のトイレは思ったよりしっかりしていてきれいでした。
手洗い場は水だけでなくお湯も出るんです。
シャワーと一緒になってるトイレだったんでドライヤーも完備。
歯磨き用ですかね?紙コップもありました。
トイレもしっかりとシャワートイレで快適そのもの。
手を拭く紙はないのでハンカチやペーパータオルを持っておくと便利。
シャワールーム
シャワールームもちゃんとしてました。
ちゃんとシャンプーとボディスープつき!
デッキ
船の中にずっといると揺れでちょっと気持ち悪くなることもあります。
ぼくはほとんど酔わないんですが、すごく揺れた時にごはんを食べてたんですよ。
さすがにちょっと気持ち悪くなって外に出ました。
外は涼しい風が吹いてくるのですぐに気持ち悪いのもなくなりましたね。
それに外にいると船の揺れもそんなに気になりません。
というわけで、船の外に出て風に当たるはすごくオススメです。
いろんな景色が見られます。
竹芝桟橋を出港してすぐ、レインボーブリッジの下をくぐりました。
海に沈む夕日を見るのも格別です。
夜のデッキ。真っ暗だけど風が気持ちいいです。
まわりには何も見えない海を進む
ネットは使えるの?
おがさわら丸にはWi-Fiはありません。
そして外洋に出てしまうとほとんどネットも繋がらなくなってしまいます。
船内にはそれぞれの島の通過時刻と携帯電話の電波についてが書いてありました。
ちなみにこの携帯電波はdocomoの場合のものです。
ぼくはdocomo回線を使っているのですが、ネットの接続に関してはこんな感じでした。
東京から父島
東京を出港してかなりの時間はネットに繋がりました。
たぶん夜の7時頃までは電波の強さにムラはありましたけど、比較的安定してましたね。
7時を過ぎると完全に圏外になってしまって、翌朝の9時過ぎくらいからまた電波を拾うようになる感じ。
ちなみにSoftBankを使っていた友達は昼過ぎには完全に圏外になって、翌朝10時頃まではずっと圏外だと嘆いていましたよ。
こういう辺鄙な場所はdocomoが強いんですね。
ちなみにぼくが使ってるのはOCN モバイル ONEで、月額1,200円くらいです。
おがさわら丸ではかなり快適に使えました!
\docomo回線通信速度 二期連続1位!/
父島から東京
父島から東京の場合は、父島を出航して1時間ほどで圏外に。
それから、その日はずっとネットには繋がらなくなりました。
翌朝は7時くらいになるとたまに電波を拾うこともあったんですが、すぐに圏外になるのを繰り返すばっかり。
ようやくある程度電源を拾うにようになったのが昼前の11時。
このあたりからは本州も近くなってくるので電波も拾いやすくなりましたよ。
まとめ
小笠原へ行くと、最低48時間おがさわら丸で過ごさないといけません。
予算にもよると思いますが、快適に過ごそうと思えば一番大事なのは部屋のグレードですね。
1等室以上は個室なのでかなりストレスなく過ごせます。
2等室も寝台であればある程度プライバシーが確保されているので良いでしょう。
ただし就寝時には10時になると照明が落とされ、朝は6時くらいには照明が点灯します。
さらに2等和室になると仕切りなどもほとんどなくて、プライバシーは皆無。
ごろっと寝転がっている時も、横をたくさんの人が横切っていきました。
荷物の管理もしないといけないので、ほとんど気が休まりませんでしたね。
個人的な感想ですが、お金に余裕があるなら1等室以上がおすすめ。
最低でも2等寝台くらいを利用した方が快適に過ごせると思いますよ。
携帯電話はほとんど使えないと思った方がいいので、ネットがなくてもいいように準備をしておくといいでしょう。
最後におがさわら丸に持って行って良かったもの、持って行けば良かったと後悔したものを揚げておきますね。
この下はおまけです。小笠原で楽しかったところを紹介しています。
小笠原のおすすめは?
小笠原のおすすめをいろいろと紹介しますね。
小笠原旅行について
小笠原旅行全般についてはこちら。
【父島】板長の戦跡ツアー
戦跡ガイド一筋の板長が戦争時代の実体験なども交えながら、ジャングルの奥へ入っていろんな戦跡を案内してくれます。
【父島】Fu Rin Sanpoのナイトツアー
小笠原にしかいないオガサワラオオコウモウリや光るキノコ・グリーンぺぺなどを見るナイトツアー。
【父島】C TRIPのイルカウォッチングとシュノーケリング
小さなボートで父島やその周辺の島をまわってシュノーケリングやイルカを見ました。
風邪が強いと結構揺れて大変だけど、目の前にイルカが現れた時の感動はすごかった!
【父島】美しいビーチを堪能する
父島の美しいビーチといえば小港海岸やコペペ海岸。
2つのビーチを見下ろす絶景が最高な中山峠などは必見ですよ。
【父島】海に沈む最高の夕日が見られる「ウェザーステーション展望台」
ウェザーステーション展望台からの夕日は本当に最高でした。時期によってはクジラも見られます。
ウェザーステーション展望台と一緒に見てほしいのが「三日月山展望台」です。
ウェザーステーション展望台からは歩いて山道を歩いて行くんですが、展望台から見下ろす港や町の景色は最高!
【母島】ロース記念館で母島の暮らしを知る
ロース記念館は母島で取れる石「ロース石」や、島の暮らしについての資料が展示してある資料館。
小さい資料館だけど結構見応えありました。
【母島】鮫ヶ﨑展望台から美しい青い海を眺める
さくっと上れる鮫ヶ﨑展望台は、気軽に美しい海が楽しめる展望台。
目の前に広がる海が美しすぎてしばらく見とれてしまいました。
【母島】静沢の森遊歩道でたくさんの戦跡と絶景を見る
静沢の森遊歩道は遊歩道だけど、結構木々の生い茂った中を歩いて行く遊歩道。
途中には砲台や弾薬庫などの戦跡もたくさんありました。
遺跡好きにはたまらないと思います。
サンセットシアターではみごとな景色も楽しめますよ。
【母島】脇浜なぎさ公園は美しすぎるビーチが目の前に広がる
脇浜なぎさ公園はあまりにも美しすぎるエメラルドグリーンの海が目の前に広がる公園。
あまりにも美しすぎて時が経つのも忘れてしまうほど。
小笠原でお土産を買う
せっかく遠くまで来たのだからお土産もいっぱい買いたいですよね。
小笠原の父島でお土産を買えるお店はこちらで紹介しています。
あとはおがさわら丸の船内でも数は多くないですが買えるので、買い忘れた時にはそちらでどうぞ。